今年のラベンダー模様
今朝5時の山荘の気温、17℃、くもり。
朝晩は長袖が欲しい山荘ですが、日中は夏日を越える蒸し暑さが続く毎日です。
今年のラベンダーは、早咲きの濃紫 (こいむらさき) に枯れた株が多く、また
開花も例年より10日ほど遅れたようです。近くの農家の方の話だと、あらゆる
作物の成長が悪く、こんな年は珍しいとのこと。
スカッとした大陸的な青空が、ここ2ヶ月ほどまったく現れず、温暖化の影響
でしょうか、北海道にも “ 梅雨 ” という季節が生まれてしまったかのようです。
刈り取りも人手不足でままならず、いつものように刈り残しが目だちます。
刈り残され満開に花開いたその妖艶な姿を見ていると、彼女たちにとっては
このほうが良かったんだと、そっと指先で撫でてしまいます。
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「やっと再開ですね。
それにしても、長袖ですか? いいな、いいな~。 行きたいな~。
ところで、豪雨が報道されていましたが、仙台姫さんは大丈夫で
しょうか?」 ――みもざ
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なにもメールが送られてきませんで、たぶん大丈夫なんでしょう。
うるさいですからね、なにかあると。
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「爺、生きてた? 足2本ある? うれしいな!
うん、よかったよかった!!」
*
「昼休み、部長が 『お~い、姫! ゆずりは始まったぞ!』
って大声で言うから急いでアクセスしたら、もう再開2日目。
冷たいよ、爺!
でも休欄中に爺の生声聞いちゃったからカンベンしてやる。
仙台は豪雨被害はありませんでしたが、ときどき怖いくらい
の強い雨が降りました。余震も未だ続いていて、今でも余震
のあとは体がこわばって、手の震えがしばらく続きます」
――新・仙台姫
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ところで姫、私物のパソコンまだ壊れたままなの? ケイタイからの
メール、書き写すの大変なんだから、はやく修理するか新しいのに替え
なさい。
それでなくても歳のせいか、目がしょぼしょぼして面倒なんだから。
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「『きょうは残業します~』って言ったら、部長に『私用でパソコン使うな』
ってクギ刺されちゃった。最近社内でのわたしの呼び名は 『姫』になってしま
い、男性社員はいいけど、同僚の女子社員に呼ばれると、なんだか大河の『江』
姫になったような気分。 猿顔の課長を、つい 『コラ!サル!』なんて言い出し
てしまいそう(このメール、あした物議を醸し出しそう)。
近頃の若い子みたいにケイタイ、パソコンにあまり興味ないんです。だから無
ければ無いで平気。 パソコン買おうかなって思ったけど、そのお金でちがう使い
みちあることに気づいたから、しあわせです。わずかな金額ですが、お金って使
われる人によって、こんなにも生きることを知りました」
――新・仙台姫
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「震災で二親とも亡くしてしまった女の子がいます。保険の仕事の関係で知り
ました。中学2年生で一人っ子、近くに叔父さんがいたんですが、この叔父さん
の家庭も、叔父さんが亡くなり、叔母さんと二人の子供さんが助かり、そこに引
き取られたそうです。 両親の生命保険と、あしなが育英会が彼女のこれからの
糧となるのかもしれません。 わたしも仕事を離れて彼女をみつめていきたいと
思ってます」 ――新・仙台姫
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姫、えらいね。 誰かのために・・という気持ちは、人を向上させるからね。
夜遊び、朝帰りの姫からは、もう本当に卒業したんだね。
*
姫、病院に入院したおばあちゃんは、その後元気になったかい?
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「おばあちゃんは10日ほどで退院し、いったん避難所に戻ったあと近くの
民間賃貸住宅に入れました。『みなし仮設住宅』 という制度があって、家賃
は要らないそうです。引っ越すとき、震災直後にわたしが届けた派手なコート
を、『これ、もらっていっていいかい?』と笑顔でいわれ、ただうなずくだけ
で、涙があふれてしかたがありませんでした。
週に一度ほど顔を出していますが、元気になりましたよ」
――新・仙台姫