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           今朝7時の山荘の気温 10℃、小雨。

    昨日のアノ変な雲のせいか、今日は朝から雨。でも冷え込みは少ない
   ので暖房は切っている。 憂鬱な空模様だ。
    窓の外、何かがモソモソ動く。何だろうかとカメラを向け、ズームに
   してみると、雨に濡れたキタキツネだった。生まれたばかりの子ギツネ
   のために、餌でも探してるんだろうか。
                   *
    音楽を聴いていて、作曲者の意図とはまるで違うイメージが浮かぶ事
   がある。北欧の作曲家・シベリウスのⅤ協奏曲を初めて聴いた時、その
   第三楽章でコケてしまった。 第一・第二楽章は北欧の凍てつくような、
   冷え冷えとして情緒てんめんな曲想が流れるが、第三楽章はまるで違う。
   野卑ともいえるような強烈なリズムに乗って、独奏ヴァイオリンが踊り
   狂う。まるで旧約聖書に出てくるサロメが、ヘロデ王の前で踊り舞って
   いるかのようだと・・以前この欄に書き込んだ記憶がある。探してみた
   ら、2004年12月17日「『サロメ』のこと」に。もう15年も前
   のこの欄だけど、恥ずかしいが抜き出してみると ───

 「オスカーワイルドの戯曲『サロメ』が好きだ。でも舞台劇としては余り観たい
 とは思わない。 それは、サロメ役をどんな名優・名ダンサーが演じたとしても、
 おそらく満足できないからだろうと思う。サロメが裸足で踊る場面や、銀の楯の
 上に載せたヨナカーン(洗礼者ヨハネ)の生首に口づけする場面などは、いかに
 手の込んだ演出でも、たぶん戯曲を読んだ人々が各々頭の中でふくらませた映像
 ほどには、勝るとは思われないからです。
  画家モローが描いたきらびやかな絵もそれはそれで面白いのだけれど、やはり
 ビアズレーの挿絵のほうが、この戯曲とは相性がいい。
  個人的な好みだが、白黒のモノクロームの画面に始まり、サロメが裸足で七つ
 のヴェールの踊りを踊る場面は淡いパステルカラーに変わる。そのあと再び白黒
 のモノトーンに戻り、サロメがヨカナーンの生首に口づけするシーンは、サロメ
 の唇と眼だけが赤みを帯びる・・・、というのはどうであろうか。
  世紀末の「官能的・怪奇的な文学」が、こともあろうに聖書をよりどころにし
 て生まれたことに眉をひそめる方も多かろうと思う。 新訳聖書の 「マタイ」や
 「マルコ」に出てくるその場面は、オスカーワイルドの濃厚な味付けとは程遠く、
 わずか数行のあっさりしたもので、「サロメ」という固有名さえ出てこない。
  (「サロメ」 とは本来ヘブライ語で「平和」という意味だそうだ)。
  実在のサロメは、かなり地味な女性であったらしい。裸足の踊りやヨハネの首
 などとは無関係で、若くしての結婚後は夫に死別し、その後再婚して三人の子供
 をもうけたと古代史に記されている。 ただ彼女の祖父にあたる大王ヘロデの妹
 さんに同じ名前の女性がいて、この人にはかなり派手な行状があったらしい。

  北欧の作曲家・シベリウスが残した唯一のヴァイオリン協奏曲がある。この曲
 の第三楽章を聴いていて、サロメが裸足で踊る場面を夢想するのは、私だけであ
 ろうか・・おそらく。
  第三楽章の終盤で、オーケストラの伴奏に乗ってヴァイオリンが軽やかに流れ
 るように高音部で興ずる場面など、北欧の音楽であることを思わず忘れてしまう。
 「あぁ、おぉ、サロメ・・・」なんて、ため息まじりの歓声をあげてしまうのです。

   (シベリウスのV協奏曲は、かなり前の録音だけど、韓国の女流V奏者
   「チョン・キョンファ」のものが好きです。軽やかで情熱的で濃厚、少し
   野卑な演奏で、「私のサロメ」のイメージを盛り上げてくれる)
                  *
  もっと新しいところでは、2015年7/11『ジュピターがみすぼらしくて』
 にもあり、ここには「ビアズリーの挿画」や「画家モローの油絵」もあります。
  文章も5年以上経つと、感情過多、見苦しいですね。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      「それだけ若返ったということじゃないですか。そのあと
      『春の祭典』もありますね、あのリズミカルな曲調が好き」
                          ─── 小姫
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       長い冬のあと、ようやくやってきたロシアの春の足音で
      しょうか。

Filed under: 音楽、美術  タグ: — tomi 11:36
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