みゃーお!

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                   (6/1)

     「おはよう、爺。最近、何読んでる? 仕事上の文字や数字ばかりで、
     頭がデジタル化しちゃって最悪だよ。
      こんな仕事ばかり続くから、お酒の量が増えて困ったもんだよな」
                            ───仙台姫

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         なんだかんだ言っても、お酒が好きなんでしょう?
                    *
         2.3日前から、藤沢周平の『本所しぐれ町物語』
        読んでます(新潮文庫 ¥590)。
         物語性の弱い市井の人々の日常の話しですが、面白
        いですよ。 作者も楽しんで書いてるようです。 まだ
        最初から1/5ほどですが、昨夜読んで面白かった所
        を以下に(写真で撮れたら楽なんですがね)───

         ‘ ・・・ふふと、おもんはふくみ笑いをした。
        「それなら心配いらないのよ。旦那は他行中で、あと
        半月ほどは来ないもの」
        「またにしよう」
        と栄之助は言った。おもんの誘いは浮気ごころを掻き
        たてるが、栄之助は踏みとどまった。おもんの旦那が
        こわいこともこわいが、女房の家に浮気の詫びを言い
        に行った、その帰り道だったことも思い出している。
         分別はよろめきながらもどって来たが、栄之助の気
        持ちはまだくすぐられたように浮き立ったままだった。
        折をみてぜひ遊びに来てくれと念を押し、水路わきの
        道をもどって行くおもんのうしろ姿にむかって、栄之
        助は浮き浮きと呼びかけた。
        「たーま、たま」
         振りむかずに、おもんがみゃーおと答えた。
        「たーま、たま」
        「みゃーお」
         おもしろい女だよ。歩き出しながら栄之助はくすく
        す笑った。とてもウマが合う女に出会ったような気が
        して、気分はいっこうに静まる気配がなかった ’

         この文章の前には、「おもん」は人の妾であること、
        「たま」はそのおもんが飼っていた猫で、おもんが探し
        に来たことが記されている。

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         「爺、その本、帰りに買ってくるから、あまり読み
         進まないで。一緒に読もう」    ───仙台姫

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         姫が喜ぶような色めいた場面はまったく無いからね、
        やめときな。先の長くない爺には、しっくり響くものが
        あってね。人ごとじゃないみたいな物語ですよ。

Filed under: 未分類  タグ: — tomi 10:13
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