内地、本土
今朝5時の山荘の気温 15.2℃、快晴。
写真は半月ほど前のもの。 緑肥として植えられるキガラシが丘を飾る光景は、
旅人を喜ばせる。 菜の花の仲間だから、春と見まごう風情が不思議なんだろう、
皆そろってカメラのシャッターを押す光景も不思議。
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「内地」 という言葉がごく自然に会話の中で使えるようになった。本州からの
若い頃の数年、そのあと40歳になってから今日までの、合わせると30年以上
の北海道暮しで、ようやく当たり前の言葉として口先から出てくる。
初めは本州のことを「内地」と呼ぶのかと思ったが、四国・九州も含めてそう
呼ぶ。 ただし、自分たちの住む北海道を「外地」とは呼ばない。 どうして道民
は津軽海峡の向うを「内地」呼ぶのか。先の戦争で、一時的に他国に占領された
わけでもない。
「内地」 とか 「本土」 とか呼ぶ言葉の意味が、わずかずつだが解かりだした。
解かりだしてみると使うのに抵抗感がなくなり、爽やかさと共に冷ややかさをも
伴う。 沖縄の人々も、いくぶんそうに違いない。
むかし沖縄を旅したとき、宿泊名簿に書き込んだ「北海道・美瑛・・」に目を
とめた宿の若い女性が、一度ぜひ美瑛に行きたいと目を輝かせていた。 彼女は、
その後北海道を、美瑛を旅しただろうか。 もう30年以上も前のことだ。
最近の 「言葉」 より
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「おはよう、爺。 朝から歳若い娘を泣かすんでない。
忍君、がんばっぺ!」 ─── 仙台姫
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姫が 「歳若い娘」 かどうかは知らないけど、いい話だね。
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幕末、下田に来た米国の総領事・ハリスの事をネットで
調べていたら、「唐人お吉」 の写真が出てきた。 本人か
どうかは疑わしいらしく、別人ではないかと記されている。
でもこの顔の表情を見ていたら、久しぶりに絵心が湧いて
きて。 長く見ていても見あきない不思議な表情だ。
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昼のテレビ報道番組 『ひるおび!』 を観ていたら
今朝の朝日新聞 『天声人語』 出てきた。 番組は
TBS系列・毎日新聞系なので、ライバル紙のコラム
が登場するのは微笑ましい。
それで、その今朝の朝日新聞 『天声人語』 ───
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「おい、ジジイ。 アチキの絵はどうなったんだよ~、
早く描いておくれよ~。 とびっきり色っぽくね」
─── 仙台姫
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小姫に描いてもらいなさい。あの子、最近絵の腕を
あげてる。絵筆のタッチがとても繊細で、医学部など
に置いておくのが惜しいくらい。爺もそのうち描いて
もらおうと思ってる、遺影の写真代わりに。